これは、生活のすべてを神にささげ、祈りと黙想によって日々の生活を整え、毎日を心豊かに送るために、教皇庁が世界中で展開している運動です。
一日の始まりのときに、神と、そして出会う人々に、きょうのあなたをささげる習慣は、19世紀にフランスで始まりました。神はあらゆるものを価値あるものとして受け入れてくださり、たとえ私は取るに足らないつまらないものだと思う時、たとえば悲しみや痛み、失敗、挫折の時も、あるいは恵みをいただいた時、たとえば喜びや実りの時も、私のすべてを世界の人々の救いのために役立たせてくださいます。これは、全人類に対する神の愛の象徴としての、イエスのみ心の業です。ですから、自分の仕事や奉仕、生活のすべてを神にささげるように勧められ、「祈祷の使徒」という運動として続けられてきました。
この運動のもう一つの特徴は、全世界のキリスト者が、同じ意向をもって祈っていることです。教皇が月ごとの意向を掲げ、私たちを祈りへと招いています。そして日本では、司教協議会も月ごとの意向を掲げています。ともに心を重ねて祈ることで、世界のいたるところにいる兄弟姉妹の喜びと希望、痛みと苦悩に寄り添うことができるのです。
このような歩みを経て「祈祷の使徒」は再創造され、教皇フランシスコによって2016年に教皇庁の運動として位置づけられ、「教皇祈りのネットワーク:正式には「教皇による祈りの世界ネットワーク:Pope’s Worldwide Prayer Network:PWPN」と呼ぶようになりました。