2026年3月 3. 日本の国防費の膨張

 教皇は意向に「武装解除と平和」を掲げ、心を一つにして祈ることを呼びかけています。まさに今、この時に、停戦、和平が求められています。私たちキリスト者ばかりでなく、世界中のあらゆる宗教が手を携えて、戦争、紛争のない国際社会の実現に向けて歩むことが求められています。悪を退け、神に立ちかえるこの時期、「武装解除と平和」のために、毎日の祈りを重ねてまいりましょう。

 その中で、日本の国防費が膨張を続けていることが憂慮されます。日本で長らく守られてきた防衛費の「GDP(国内総生産)比1%枠」が取り払われたのが2023年度予算でした。1976年に時の三木武夫内閣が、軍事大国化の歯止めとして「防衛費はGNP(国民総生産)1%枠内」を決定し、1987年に中曽根康弘内閣がこの1%枠を撤廃したものの、その後も予算編成においては1%が強く意識されてきました(1993年度からは対比の対象がGNPからGDPに代わりました)。

 折しもロシアがウクライナに侵攻して、国際紛争の脅威が大きく高まった2022年に、北大西洋条約機構(NATO)の加盟国が相次ぎ国防費を2%にすると表明したことに追随する形で、岸田文雄内閣は12月に国家安全保障戦略の中で「防衛力の抜本的強化は一時的な支出増では対応できず、一定の支出水準を保つ必要がある。27年度に防衛力の抜本的強化とそれを補完する取り組みを合わせ、予算水準が現在のGDP比2%に達するよう措置する」と明記したのでした。

 当初予算として、22年度は5兆4000億円(米軍再編関係経費含む)だった防衛費は、23年度6兆8000億円、24年度7兆9000億円とほぼ1兆円ずつ積み増しし、2025年度は前年度比9.4%増の8兆7005億円となり、膨張を続けています。

 2026年度の防衛関係費予算案では、前年度当初比で約3.8%増となる約9兆353億円が計上され、過去最大を更新しています。これは2023~27年度の防衛力整備計画の4年目にあたり、無人機や長射程ミサイル等の「7つの重点分野」へ集中配分が行われためだとされています。

 私たちの願いは、軍備縮小ではなく武装解除です。武器を持たずとも平和が保たれることを祈り願っています。この願いに逆行する防衛費の膨張に歯止めがかかるように、ひとりひとりのいのりを積み上げてまいりましょう。