2025年4月 4.EXPO 2025

大阪・関西万博が開幕しました。テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」です。158の国と地域が参加し、10月13日までの184日間にわたって開催されます。このテーマは、まさに教皇の意向と重なります。教皇は「新しいテクノロジーの使用」が「時代の危機に立ち向かう助けとなりますように」と祈るように私たちを招いているからです。
万国博覧会の歴史は、1851年にさかのぼります。17世紀から18世紀にかけて社会が大きく変化していく中で、科学技術の発展がいかに人類の未来に寄与できるかを、国際的なレベルで競い合う形で、第1回がロンドンで開催されました。日本が初めて参加したのは1867年の第2回のパリ万博で、幕府と薩摩藩、佐賀藩が参加しています。日本およびアジアでの開催は1970年に大阪で開かれた日本万国博覧会(大阪万博)が最初でした。
今回の万博のサブテーマは「いのちを救う」「いのちに力を与える」「いのちをつなぐ」の3つで、会場を「未来社会の実験場」とみなして、「展示をみるだけでなく、世界80億人がアイデアを交換し、未来社会を『共創』(co-create)」すること、開催期間の前から「世界中の課題やソリューションを共有できるオンラインプラットフォームを立ち上げ」ること、「人類共通の課題解決に向け、先端技術など世界の英知を集め、新たなアイデアを創造・発信する場に」することをコンセプトとしています。
たびたび報道されているので、すでにご存じの方も多いと思いますが、会場には「大屋根リング」と称して1周2キロメートル、高さ約20メートルの世界最大級の木造の構造物が建設されています。そのリングの内外に展開される展示場を訪問して、未来社会についての考えを深めることもひとつの方法ですが、今やデジタル社会ですので、インターネットを使用してバーチャルな万博を楽しむこともできます。
EXPO 2025が、私たちの将来の平和と安定、そして、サブテーマに掲げられたようにすべての「いのち」を大切にする方向へと導く大きな機会となることを祈り願っています。教皇の意向を祈るとともに、大阪・関西万博が意義あるものとなりますように、祈り願ってまいりましょう。