2026年1月 3. レクチオ・ディヴィナ
キリスト教においては、聖書を素材として神と対話する方法が、長い伝統の中で築き上げられてきました。それは、レクチオ・ディヴィナと呼ばれていて、レクチオは「読む」を、ディヴィナは「聖なる」あるいは「霊的」を表すラテン語です。ですから「聖なる読書」や「霊的読書」と日本語には訳され、表記されてきました。
2~3世紀のころに起源をもつこの方法は、まさに教皇の意向にある「みことばによる祈り」のために最もふさわしいと言えるでしょう。これは、以下の4つの段階で構成されています。
第一段目は「レクチオ(読む)」、で、ゆっくりと味わいながらみことばに目を通し、自分の心に響くところにしばらくとどまります。1つの語でもかまいませんし、文でもかまいません。その時、その場所で、生きておられる神が、自分に何を伝えようとしているか、その糸口となる語や文に出会わせていただくのです。
第二段目は「メディタチオ(黙想)」です。心に響いた言葉について、思いめぐらし、神の業の壮大さや神のいつくしみについて想像を膨らませ、神が自分をどれほど愛しておられるかを感じ取り、その神が自分のすぐ近く、自分自身の心の中に住まわれている感覚をつかみます。
第三段目は「オラチオ(祈り)」です。神との対話は、まず自分の思いを第二段目で出会った神に、すべてを包み隠さずに伝えることから始まります。人間の側から神に向かって働きかける営みが、オラチオの中心となります。
そして第四段目は「コンテンプラチオ(観想)」です。この段階では、自分に働きかけている神の息吹を感じ、その思いが何であるかを受けとめようとする段階といえるでしょう。「僕(しもべ)は聞いています。どうぞ語りかけてください」といった心の姿勢で、神からの働きかけを感じ取ろうとして、ひたすら待つことが中心となります。この段階では、いつも必ず神からのメッセージを受け取ることができるわけではありません。心を澄ませて、心を柔らかくして、第一段目から第三段目までの心の営みを反復しながら、いつくしみ深い神が自分に何を望んでおられるかを探求していきます。
以上が、レクチオ・ディヴィナの4つの段階です。第二バチカン公会議の公文書『神の啓示に関する教義憲章』を深めるために2008年に行われた世界代表司教会議(シノドス)第12回通常総会は、その最終メッセージ(要約)で「『霊的読書(レクチオ・ディヴィナ)』は祈りのうちに聖書を読むことです。それは、黙想と祈りと観想を通じて、生きた神のことばであるキリストに出会うことを可能にします」と表わしています。なんと心強いメッセージでしょう。教会が、レクチオ・ディヴィナによってキリストと出会うことができると、公式に表明しているのです。
https://www.cbcj.catholic.jp/2008/10/24/6745
是非レクチオ・ディヴィナを身につけ、その達人となって、神が今ここで自分に何を望んでおられるかについて、深めてまいりましょう。

